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日本酒ラベルの見方を代表的なものを中心になりますが解説してみました。

rabel

①生酛
伝統的な酒母造りの技法。蔵内にいる天然の乳酸菌や酵母を取り込み仕込む。しっかりとした酸やコクを感じる酒質になる。この生酛造りから「山卸し」という工程を省いて仕込む方法を【山廃造り】といい、生酛同様に酸のある骨太な酒質になる。
安定した品質を保つことが難しいため、乳酸を添加する「速醸酛」が生まれてから廃れていたが、近年その個性の出やすさから復活の傾向にある。

②純米吟醸
特定名称酒上の分類の一つ。日本酒を含むお酒には醸造方法が様々あり、日本酒の表記にも製造や原材料に決まりがあるものがあります。「純米吟醸」もその一つで、精米歩合60%以下、醸造アルコール添加がなしのものに付けられます。

③山田錦
「酒米の王者」と呼ばれる酒造好適米。日本酒の元となる「酒母」の原料として使用された米の種類を指す。

④中取り(中汲み)
酒を搾る工程のちょうど真ん中あたりに流れ出てくる部分のこと。全部分の中で一番透明でバランスのとれた部分といわれる。ちなみに最初に流れ出てくる部分を「あらばしり」、最後に出てくる部分を「責め」という。「あらばしり」は圧力を加えない状態で出てくるため、うすく濁っていたりガスが残っていることも多く、香り高くフレッシュな味わいとなる。一方、「責め」は逆に強い圧力をかけて搾っているため雑味が出やすいが、敢えてその雑味を活かす作り手も多い。

⑤無濾過
通常の日本酒で行われる、滓引き後のフィルターや活性炭素での濾過を行っていない酒のこと。濾過を行わないため色味が濃く、とろりとした濃厚な味わいとなる。特に記載のないものは濾過を行っている。

⑥生原酒(生酒かつ原酒のこと)
・生酒
一般的に、日本酒では品質を安定させるためタンクに詰める前と瓶詰め前に2回加熱処理(火入れ)を行うが、そのどちらも行っていない酒のこと。熱処理を行わないため旨味の豊かな味わいになるが、品質が劣化しやすいため冷蔵保存が必要。ちなみに、瓶詰め前にのみ1回加熱したものを「生貯蔵酒」、タンクに詰める前にのみ1回加熱したものを「生詰め酒」と呼ぶ。特に記載のないものは2回火入れを行っている。
・原酒
もろみ(酒粕と分離前の日本酒)を搾った後、水を加えてアルコール度数や味わいを調整していない酒のこと。一般的にアルコール度数が高めで凝縮された香気と旨味がある。特に記載のないものは加水調整をしている。

⑦精米歩合
米を玄米から磨いてどれだけ残ったかということを示しています。一般的に、精米歩合が高いほど、つまり米を削れば削るほど雑味がなくなり、澄んだ味わいになるといわれています。

⑧アルコール度数
全体量のうち、アルコールの含む割合のこと。概ね通常の日本酒で15~16度、原酒で16~18度となることが多い。近年では特殊な仕込み方法により5、6度前後の低アルコールのものや、20度を超えるものもある。

⑨日本酒度
酒に含まれる糖分の量。糖分の多い物ほどマイナス、少ない物ほどプラスになる。一般的にマイナスが甘口、プラスが辛口といわれる。

⑩酸度
酒に含まれる酸の総量を示したもの。酸度が高いほど辛く濃い味わいになる。

⑪要冷蔵
⑥の無濾過酒などは品質が変化しやすいため口切り(開封)前から冷蔵保存が必要。火入れを行った酒は常温保存が可能だが、夏場や口切り後はやはり冷蔵保存が無難。

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